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EGSの独占販売契約を断った3つの理由 DARQの開発者が指摘する“矛盾”

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 PCゲーム販売プラットフォームの一つ「Epic Games Store」(以下、EGS)では、サードパーティのゲームをEGS限定にする独占行為が問題視され、ゲーマーから反発を受けている。

 そんな中、「DARQ」を開発したUnfold GamesがRedditで話題になった。発端は「EGSから独占契約に関する連絡がきたが、最終的に断った」という以下の投稿だ。

 Steamでの発売日を発表する予告編をリリースした直後、Epicから独占契約に関する連絡があった。その連絡があった時点で、DARQはSteamで最もウィッシュリストに入れられたゲームのトップ50に入っていた。

 EGSと独占契約をすると、「DARQはSteamで発売する」と約束した私の言葉は何の意味もないことを示すことになると感じた。それに、2018年11月からDARQページがSteamにあり、多くの人が辛抱強くウィッシュリストに追加していた。それらすべての人々を失望させ、私の発言が意味をなさないことを世界に証明するのは、悪い考えだと思った。

 EGSは、DARQの独占契約について私に連絡したことを明らかにした――私は、EGSと独占契約に関するお金など詳細を議論する前に丁寧に断った。その際、EGS側にDARQを非独占的に販売する意思があるかどうかを尋ねたが、Epic Games側は「現時点でできることではない」と説明した。丁寧でプロフェッショナルなやり取りで悪いことは何もなかったが、話自体がDARQに適したものではなかった。

出典:「なぜEpic Gamesを拒否したの?」に対して行った回答(Reddit)より

 この発言が海外ゲームメディアなどで大きく取り上げられたことを受け、DARQの開発者は改めてこの一連の出来事について詳細をMediumに投稿した。この記事ではその内容を翻訳して紹介する。

【翻訳】Epic Games Storeからの独占販売契約を断った理由(DARQ開発者の場合)

 これはニュースに値するストーリーだと捉えていなかったが、私のRedditでの発言に関する新しい記事が毎日掲載され、発言がかなり広まっているようだ。私の発言が文脈から外れて引用されないように、何が起こったのかをもう少し詳しく説明しようと思う。

ちょっとした背景

 私はインディー開発者で、初のタイトル「DARQ」を発売開始したばかりだ。DARQは3.5年以上(9000時間)も費やして開発してきたゲームで、発売開始前には、Steamで最も人気のあるゲームのトップ50に入っていた。

何が起きたのか

 2019年7月27日(土曜日)、私は新しい予告編をアップロードし、Steamの発売日を告知した。2019年7月30日(火曜日)、私はEGSから連絡を受け、SteamでDARQをリリースする代わりに、独占販売契約を結ぶことを提案された。さらにEGSは、DARQを非独占的にリリースする選択肢はないと明言した。私は、お金の話をする前に彼らの申し出を断った。

 [このやりとりのスクリーンショットを下に掲載する。EGSの気に触らないことを祈る。なぜなら、やり取りは丁寧なもので、内容を秘密にしておくように頼まれていないからだ。]

なぜ私はEGSの提案を断ったのか

 この話に入る前に、私は他の開発者やスタジオのために話しているのではないことを強調しておきたい。すべてのインディースタジオにはそれぞれ固有の事情があり、固有の事情に対処しなければならない。独占販売契約の申し出を断った理由は、私固有のものだ。EGSでの独占販売の申し出を断ることは、たまたまDARQには正しいことだったが、他のゲームやスタジオにとっては、目標や長期的な計画が異なっている場合に、正しくないかもしれない。

理由1:私はお金が好きで、保証された収入に加えて前払い金をもらえるのは素晴らしいことだ。だが、私はこの業界で長い間働くことにとても真剣だ。SteamでDARQのリリース日を発表した矢先に、Steamからゲームを削除すれば、私やスタジオの信頼性は永遠に失われるだろう。

 特に、リリース日やプラットフォームなど重要な発表を行う場合には、私の言葉が意味あるものだという信頼をお客様に持っていただきたいと考えている。EGSの独占販売契約の申し出を断ることは、独占契約に関連する金額を考えると、短期的には愚かな決断だったかもしれない。しかし、長期的に考えると、これは簡単で明白な決断だった(私の場合)。

理由2:DARQは2018年後半からSteamに登録されていた。多くのSteamユーザーのウィッシュリストに追加され、約1年ものあいだ、発売日が来るのを心待ちにされていた。Steamでの発売日が近いことを考えると、このタイミングでの独占販売切り替えは、多くのDARQファンに不満を抱かせるに違いない。

ところで、倫理観の問題は別にしても、多額のお金と引き換えに独占販売契約を結ぶ価値があるのだろうか? Amazonの歴史を考えてみてほしい――同社は長年、顧客第一の考えから、ずっと利益を生み出すことができなかった。Amazonは過去に、たとえ損失を出すことになったとしても、顧客に寄り添う決定を数多く下してきた(と同時に、これは金融業界からは盛大に非難された)。

 顧客は「Amazonは常に顧客の味方なんだ」と知っているが故に、Amazonは今や世界最大の企業の1つにまでなったのだ。彼らの返金ポリシーは常に業界標準であり、タイムリーな配達も常に最大限に達成されてきた。EGSからの金額保証を受けるより、Steamで得られるお金は少ないか? もしかしたらそうかもしれない。しかし、私のスタジオとその顧客との間に継続的な信頼を確立するためには、相応の対価が必要だ。私のスタジオ(Unfold Games)はSteamに残る。DARQはその始まりにすぎない。

理由3:私にとって重要だったのは、プレイヤーが望むもの、つまりオプションを与えることだった。多くの人が「GOGでDARQを利用できるようにしてほしい」と要望していた。私はGOGと協力してゲームをGOGでも販売するようにした。EGSがインディーズゲームを非独占的に販売できるようにして、より大きく、まだリリースされていないゲーム(サイバーパンク2077)と同じように、プレイヤーが好きなものを楽しめるようにしたいと考えている。

Ooblets

 偶然にも、私がEGSの提案を断った翌日の2019年7月31日、Oobletsの開発者たちはEGSの独占販売契約を受け入れたと発表し、多くの議論を呼んだ。その時、私はこの騒動には関わらず、EGSとの独占販売契約の取引について、私のスタンスを維持することにした。しかし「DARQも独占契約を考えているのか」と多くの人に質問された。

 最終的に、私はEpic Gamesの独占販売契約を拒絶したことに言及することにした。そうすれば、コミュニティはDARQがSteamとGOGに来ることを知り安心するからだ。私はこれをニュース記事にするつもりはなく、この問題に注目を集めるためにメディアに連絡するつもりもなかった。

最近

 最近、多くのメディアが私のEGSの独占販売契約の申し出を拒否したことをニュースにする中で、Epic Games CEOのTim Sweeneyに直接宛てられたツイートでタグ付けされていることに気付いた。

 おめでとうGOG! マルチストアの未来が今ここにあることをさらに証明しよう。GOGのGalaxyプロジェクトは、PCゲーム・コミュニティーを分断するのではなく、コンソール・コミュニティーとも統合しようとしています。

 お前は@UnfolldGamesをEpic独占したかったはずなのに、彼が「SteamとEGS両方で出す」と言った途端断ったのはなぜだ?

 言うまでもないが、私はEGSの独占問題に関わるつもりはなかった。しかし、私はTim Sweeneyのツイートに対して直接タグ付けされているので、少なくとも私のスタンスを明確にすべきだと感じた。

 さて、以下のスクリーンショットを共有するのはちょっと怖い(Tim Sweenyが私と私のゲームを完全に破壊する無限の金銭力とコネをゲーム業界に持っていることを考えると――私は彼がそんなことはしないと信じている――結局のところ、私は初めてゲームを出すインディー開発者にすぎない)が、EGSの担当者との会話の内容はこれだ。それは礼儀正しく、プロフェッショナルだったが、Tim Sweeneyが主張していることと矛盾している。

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こんにちは、Wladさん
ご連絡ありがとうございます。

 念のために言っておくと、われわれは時間に追われているので、このゲームをEGS専売にしたいと考えています。私たちはまだ、複数のゲームストアでローンチさせられる立場にはありません。

 一年の時限独占と引き換えに、一年目の販売数予測に基づいて、何らかの金額保証を交渉します。この保証には反感を持つかもしれませんが、ローンチのリスクを軽減する方法です。

 もうすぐゲームの発売を開始しますが、この機会より前に相談できればよかったと思います。ビデオチャットに興味があれば喜んで参加します(本当にできる限りもっと早くやりたかった)。このゲームは素晴らしいよ、いかがでしょうか。

 明確化していただきありがとうございます、**** さん。残念ながら、現時点では独占は選択肢ではありません。Steamのリリース日を発表したばかりです。現在、DAQRはSteamで最もウィッシュリストに追加されているタイトルの1つなので、独占販売は間違いなく反発を招くと思います。

 独占性がもはや要求されなくなった将来、私たちが一緒に仕事ができることを願っています。

ご興味をお持ちいただきありがとうございました。
Wlad

 ダブルスタンダードがなければ、インディーの開発者にも、複数のストアでゲームを販売する機会が平等に与えられ、ゲーマー達が最も欲しているであろう「選ぶ権利」を得ることができたのに。


 記事の内容は以上の通りだ。この記事で分かることは、Tim Sweenyとメールの担当者には矛盾があることだ。

 マルチストア、つまりどのプラットフォームでも遊べる未来を提供しようとしているGOGの方針を褒め称えている代表がいるにも関わらず、実際には、「どのプラットフォームでも遊べる未来を提供できる立場には現時点でない」と従業員がメールで明かしているからだ。

 この1件はさらにEGSに対する反発、不信感を招きかねないと考えるが、読者の皆さんはどう感じただろうか。

情報元 Medium Reddit

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