2019年2月15日にリリースが予定されていた「Metro Exodus」が、発売2週間前の2019年1月29日に、Epic Games Storeでの時限独占を発表し、炎上した。
「Metro Exodus」（Metroシリーズ）は、核戦争により地下鉄のトンネルに住むことを余儀なくされた2033年のモスクワを舞台にしたシングルFPS作品だ。
Metro Exodus Epic Store Announcement
Epic Games and Deep Silver today announced a partnership that will see the digitally-distributed PC version of the highly anticipated Metro Exodus release on February 15th 2019 solely through the Epic Games store.
The ability to purchase / pre-order from Steam will soon be removed
However, any customer with an outstanding pre-order for Metro Exodus on PC through Steam will receive their game as expected.
Metro Exodus Epic Store 発表
Epic GamesとDeep Silverは2019年1月29日、2019年2月15日にリリースが予定されていた「Metro Exodus」PC版をEpic Gamesストアでのみ販売するパートナーシップを発表します。
Steamから購入／予約する機能はまもなく削除される予定です（訳注：既に削除済み）
ただし、Steamを通じてMetro Exodusを予約注文したユーザーは、予定通りにゲームを受け取ることができます。
告知ページより
本作の予約が始まったのは2018年8月15日（参考動画）。予約開始日に予約購入したユーザーは、半年間の予約期間を経て、Epic Games Store経由でのプレイを余儀なくされた格好だ。FAQによると、Steamや他のストアから購入できるのは「2020年2月14日以降」ということで、Steamから購入する場合には1年待つ形となる。既に物理版を予約したユーザーに対しては、Epic Games Store専用キーが配布されることが、Metro ExodusのTwitter公式アカウントの回答によって明らかになっている。
Your physical copy of Metro Exodus will now ship with an Epic key
— Metro Exodus (@MetroVideoGame) 2019年1月29日
なお、2018年2月にDeep Silverを買収したTHQ Nordicは、今回の時限独占の決定について以下のようなコメントをTwitterで発表している。
not want to categorically exclude the possibility of timed exclusives for any of our games in the future, but speaking in the here and now, we definitely want to have the players choose the platform of their liking and make our portfolio available to as many outlets as possible. pic.twitter.com/oOI52rLDAi
— THQNordic (@THQNordic) 2019年1月29日
Metroシリーズの知的財産権を持つKoch Mediaは、Metro ExodusをEpic Games Storeで時限独占公開することを決定しました。Koch Mediaは、THQ Nordic（Vienna）の姉妹会社であり、私達はこれについてコメントする立場にありません。私達のゲームが時限独占の選択を取る可能性を絶対に排除することはできませんが、ここで言えるのは、私達が提供するゲームは可能な限り多くのプラットフォームから購入できるようにしたいと思っているということです。
Epic Games Storeでの時限独占について、海外の反応は？
Redditの/r/steamでは現在、この騒動に関連して「Steamの“独占”とEpicの“競争”を比べた素敵な例」という投稿や、SteamとEpic Games Storeを比較して「他に何か言うことある？」という投稿がトップに踊り出ている。
Steamの”独占”とEpicの”競争”を比べた素敵な例 An elegant example of the difference between Steam’s “Monopoly” and Epic’s “competition”(Reddit)
| Steam | Epic Games Store | |
|---|---|---|
| クラウドセーブ | はい | いいえ |
| ユーザープロフィール | はい | いいえ |
| ユーザーレビュー | はい | いいえ |
| フォーラム | はい | いいえ |
| MOD配布 | Steam ワークショップ | いいえ |
| フレンド＆チャット | はい | はい |
| グループ | はい | いいえ |
| アイテムトレード | Steam マーケットプレイス | いいえ |
| ライブラリ並び替え | はい | いいえ |
| アカウント共有 | ファミリーシェアリング | いいえ |
| 他のデバイスへのストリーミング | Steam ホームストリーミング | いいえ |
| 配信 | はい | いいえ |
| スクリーンショット撮影／共有 | はい | いいえ |
| ユーザーガイド作成 | はい | いいえ |
| ウィッシュリスト | はい | いいえ |
さらに、Redditの/r/pcgamingでは「【拡散希望】Metro ExodusのSteamでの予約注文の払い戻しを検討してください」(Reddit)という投稿で、「詐欺行為は奨励されるべきではない」という主張もあった。投稿者によると、今回の時限独占発表後でも、Steamユーザーは本作をSteamで予約することができたそうだ。この発表により大量の予約注文、いわば“駆け込み需要”が発生し、一時的にSteamのTop Sellersに本作が登場していたことが、プラットフォームを利用した詐欺にあたるのではないかという指摘だ。この投稿に対しては「払い戻しました」「ValveはストアページからBANするなどの対応を取るべきだ」「こういった出来事は、海賊版を助長させかねない」という反応があった。
最近では「The Division 2」がSteamからEpic Games Storeでの販売に鞍替えするなど「Epic Games Storeの登場でゲーマーが不便を強いられるのではないか？」と不安視されていた中で起きた今回の騒動は、ますますプラットフォーム間の溝を深めることになりそうだ。