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南極にもSteamユーザーが居た! 極限の地で遊ぶPCゲームとは(抄訳)

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 PCゲーム販売プラットフォームのSteamでは、ユーザーの通信量やダウンロード速度を計測し、その統計データを公開している。

https://store.steampowered.com/stats/content/

 2018年8月、Steamの統計データで、南極で8GBのデータを受け取ったユーザーが居るとRedditで話題になった。

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Redditに投稿された画像。南極で8GBのアップデートを受け取っているユーザーが居たようだ。

 Steamの表記で「8GB」と表示されていたとはいえ、統計データだけでは、本当に居るかどうかは不明だ。もやもやしていたところ、PCGamesNで、南極でPCゲームを遊ぶ人を取材した記事「Ice, snow, and terrible internet – what it’s like to play PC games in Antarctica」(氷、雪、そしてひどいインターネット――南極で遊ぶPCゲームはどういうものか)」を見つけた。

 この記事が面白い内容だったので、抄訳した内容を掲載する。


 気温が氷点下60度に達し、荒れ狂う吹雪と何百マイルものツンドラが広がる南極大陸は、地球で最も居住しにくい場所の1つだ。最も寒い大陸にも関わらず、毎年夏には、4500人の住民がやってくる。

 そして、少なくともその内の1人がPCゲームプレイヤーだ。

 2017年末、Steamの統計データは、南極西部にあるイタリアの南極観測基地「マリオ・ズッケリ」で、誰かがSteamを通じてソフトウェアをダウンロードしたことを示した。この発見は、PCGamesNの記者が南極のPCゲームプレイヤーを探し出すきっかけとなった。そんな荒れ果てた地でPCゲームを遊ぶことはどういうことだったのか、スコット基地で通信オペレーターを務めるダン・ムーア氏に話を聞いた。

 ダン・ムーア氏は、イタリアのマリオ・ズッケリ基地からおよそ320km離れたニュージーランドのスコット基地の通信オペレーターだ。スコット基地は、ニュージーランドのインバカーギルからおよそ3500km離れたロス島にある。

スコット基地とその周辺の様子

 2017年9月に南極へ到着したムーア氏の日常的な業務内容は、働いている人々の監視やラジオ通信の管理、緊急時の捜索救助活動だ。しかし、休憩中は、「Kerbal Space Program」(KSP)や「Grand Theft Auto V」(GTA V)、「Dirt Rally」などのゲームに時間を費やしている。ムーア氏によれば、基地で使うノートPCに60個以上のPCゲームをインストールしているそうだ。

 ムーア氏が選んだ「南極で遊ぶゲーム」には傾向がある。忙しいスケジュールの合間に、簡単に始められて辞めることもでき、そして悪天候の間に楽しく時間を潰せるゲームであることだ。彼は、もっとも遊んだゲームタイトルとして「The Elder Scrolls V: Skyrim」(Skyrim)を挙げた。「スコット基地があるロス島は、氷、雪、岩に囲まれた火山島。悪天候で外に出ることができず、やりたかったことができない場合は、Skyrimでそれを再現するのが、一番良い方法だ」

The Elder Scrolls V: Skyrim VR PC版トレーラー

 “家”に帰る準備の大半は、実際にラップトップでゲームが動作するか確認することに時間をかけたといい、「ディスクを持っていくと、鞄がかなり重くなってしまうと思い、“家”に帰る前に、2日間連続でSteamでゲームをノートPCゲームへインストールした」という。なぜなら、スコット基地でのインターネットの接続速度は下り速度が24Kbpsほどの超低速回線しかなく、そんな南極基地にいながらゲームをダウンロードするのは不可能に近いからだ。「郵送で物理的にゲームを南極の基地へ届けてもらう方法もあるが、それでも一週間かかる。世界の果てにいる割には、比較的早いほうかもしれないが……」

 また、南極でのPCゲームプレイを阻害する原因は、距離と通信速度の問題だけではなかった。スコット基地周辺の気温はもちろん、南極は空気中に水分がほとんど無いため、静電気が起きやすい環境なのだ。ハードウェア、とくにマザーボードに対して静電気の存在は致命的だ。ムーア氏は笑って説明する。「座ったときにバチバチ音を聞いたら、『PCを破壊してしまったか?!』とパニックになることは間違いない」

 というわけで、静電気によってマザーボードが破損するのを回避するため、基地の電化製品はほとんど除電マットの上に置いているという。だがムーア氏は「万一に備えて置かれている除電マットは、限られた数しかない」と不満を漏らす。「データを失う可能性があるので、ガジェットを机の上に置きたいと思っている人はいないが、PCを使おうとすると、周りに他人のカメラや携帯が常に置かれている状態で困る」

 さて、ムーア氏が言及するゲームは数百時間以上遊べるタイトルばかりだが、彼はプレイ時間に制限を設けている(「1日4時間以上は遊ばない」という“控えめ”な制限だ)。とはいえ、労働時間が終わってもムーアと彼の同僚たちは、世界の最奥地にいる。絶えず悪天候が続けば、ムーア氏は喜んでPCゲームを遊んで過ごすことになるだろう。

全文(英語)はこちら


 南極という地球の最果ての地でもPCゲームを遊んでいる人が居ること、そしてそんな人を見つけたPCGamesNに驚いた。日本では「南極料理人」という作品で、南極で過ごすことはどういうことか、知ったという人もいるかもしれないが、PCゲームの文脈で南極について学べたのは意外だ。いつになるかは分からないが、「南極でeSports(LAN Party的な)」映像も出てくるのかもしれない。

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