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「IPv4」から「IPv4 over IPv6」にした結果、通信速度が約180倍になった話

Web

 2019年4月末、IPv4通信のみしか対応していないWebサイトやWebサービスに対してIPv6で通信できるような環境にしました。その結果、混雑時の通信速度が約180倍に上がったので、どんなことがあって何をしたのか、簡単に振り返ります。

 「Mbps」という単語の補足は以下の通り。

  • 1bps(bit per second)=1秒間に1ビットのデータを転送できる
  • 1Mbps=1秒間に1000kbps(100万バイト)のデータを転送できる
  • 8Mbps=1秒間に8000kbps(800万バイト=1メガバイト)ダウンロードできる
  • 8Mbps=1MB/s(計算上は)

集合住宅回線の限界

 約100戸数の集合住宅に住んでいて、集合住宅型光回線を契約しています。集合住宅までの回線網は光回線ですが、各家庭にはVDSLで光回線が分配される状態です。契約的には「集合住宅全体までは最大1Gbps。各家庭までは最大100Mbps」です。

 スマートフォンの普及のせいか不明ですが、通信速度に負荷がかかり始めました。とくに、2017年~2018年から著しく通信速度が低下しました。家に人が多い平日夜、休日にいたっては、通信速度が0.5Mbps(0.0625MB/s)を下回ることも。「最大100Mbps(12.5MB/s)の回線だよね???」ということで、まず、IPv6通信ができる環境を整えました。

 集合住宅型光回線を契約している某プロバイダに連絡し、「IPv6オプション」を有効化。利用しているルーターの設定画面でIPv6を利用する設定にしました。その結果、IPv6対応サイト(Google、Netflixなど)では快適になりましたが、IPv6通信に対応していないWebサイトやサービス(ニュースサイト、Steamなど)ではIPv4通信と、接続先によって通信速度が異なる結果になりました。

 そこで、IPv4 over IPv6にしてどの接続もIPv6を利用するようにしました。

IPv4 over IPv6とは

 「インターネット (IPv6 IPoE) 接続」利用時では、VNE側がオプションとしてIPv4 over IPv6サービスを提供する場合がある。多くのVNEや対応ISPでは、IPv6 IPoEサービスに付随して標準でIPv4 over IPv6サービスも提供しているが、提供およびユーザ側での実際の利用について必須ではない。

IPv6 IPoE接続ネットワーク上で、トンネリングまたはトランスレーション(IPv4 over IPv6)によりIPv4接続性を確保する。IPv4の仮想経路は、ユーザーCPEとVNE事業者機器(仮想経路出口)の間のIPv6上で直接張られ、VNEは、(NGN経由で)インターネットとの間でIPv6の疎通と、IPv4仮想経路出口での接続性を担当することになる。

Wikipediaより

 端的にいえば、IPv4通信にも、IPv6を適用できるというものです。ポート開放ができなくなるなどデメリットがあるものの、不満をなくすために利用することに。IPv4 over IPv6はNTTに問い合わせる必要があるため、電話で連絡しました。まず、話として「IPv4 over IPv6ができるようにしたい」と伝え、オペレーターからの質問に答えていきました。電話で聞かれた質問は以下の通りです。

 こちら側の電話番号が分からないとオペレーター側で調査ができないらしいので、発信するときは「186」を忘れずに(186-0120-116-116)。自分の場合は土曜日の14時ごろに電話して会話できるまで40分掛かりました。
  • 契約者名
  • どんな契約をしているか(どの事業者で回線を契約しているか、契約プランはなにか)
  • 利用している機器は何か(VDSLやルーターなど)

 ここからオペレーターが調査をして状況を見て個別対応となるようです。私の場合は、IPv4 over IPv6未対応のレンタルルーターを利用していたため、無償で交換対応してもらえました。

 電話してから1週間後、新しいルーターが到着。マニュアルの説明に従って機器を入れ替えるだけで、とくに設定をすることなく、IPv4 over IPv6環境になり、通信速度も快適になりました。もちろん、光回線そのものと比べれば遅いといえば遅いのですが、速い時で70Mbps程度出るようになったので、かなりマシになりました。

 これからIPv4 over IPv6を利用しようと考えている人に参考になれば幸いです。

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