最近、様々な騒動を経て「レビュー荒らし」というワードがトピックの1つとなっている様なのだけど、そもそも、「レビュー荒らし」といわれている低評価レビュー群は、荒らしなんだろうか。
ゲームを作り上げたデベロッパーやパブリッシャーに対する批判がSteamレビューに投稿される事が、ゲームの評判が落ちた様に見えてしまっていた従来のSteamレビューの仕組みや、デザインには確かに問題があった。いわゆる「最近の評価:賛否両論」という表示のことです。
あの表示からは、何を持って「賛否両論」となっていたのかが分かりづらかった。たとえ、過去に多くのオススメ評価が付いていたとしても、デベロッパー・パブリッシャー・その他の批判レビューが短時間の間に多く投稿されてしまうと、賛否両論となってしまっていた。
それに対してレビュー機能を持つSteamは、多くの低評価投稿が短時間にあった場合には、その事をグラフと文章で伝える機能を実装した。また、ワンクリックでこの低評価群を除外した本来のゲームに対する評価を表示出来る機能も追加してきた。
この機能が追加された事で、デベロッパーやパブリッシャーに対する批判レビューが多数投稿され、ゲーム本体の最近の評価が賛否両論となっても、ユーザーはいち早くその原因を把握し、本来のゲームの評判を確認する事が可能となっている。
このアップデートは先日の話なのだけど、AUTOMATONでこんな記事が出た。
記事内容を要約すると、中国のPUBGではVPNを使わないと快適にゲームが出来ない状況に陥っている中で、特定VPNを推奨する旨をゲーム内広告で表示してきた途端、特定VPN以外のVPNがネットワークエラーなどで利用が難しくなったという。その上、特定VPNのレンタル料自体も値上げされているのではないか…という内容。
でもこれ、聞いてる分だと日本でも確実に批判を食らう事をやっていると思いませんか?
ゲームに対するレビューの中で、今回の一件を批判するのは普通の事ではないのでしょうか。荒らしでもなんでもなく。中国という人口の多い国で起きた問題だから、その批判の量自体が多すぎて「レビュー爆撃」にはなっているのかもしれない。
とはいえ、買い切りゲームに対して、VPNのゲーム内広告を表示する上、サーバーの運用状態は透明性がなく、いつまで経っても快適に遊べないという状況が生まれているのであれば、ゲームに対して嫌悪感を持つ人がレビューで批判するという構図は、普遍的というか当たり前に見える。
一応、「荒らし」または「トロール」の意味について再確認しておく。
荒らし(あらし、Troll)とは、物事の順列を無作為に乱すことで、奪うことを指す語。またそのような行為に及ぶような人。特にチャットや電子掲示板、ブログ、Wikiなどの、不特定多数の人間が参加する形態のコンピュータネットワーク上のリソースに対して、不合理なメッセージの送信や妨害行為を継続的に行っている者を表す。
Wikipedia より
主に英語圏で、電子掲示板やブログのコメントに、否定的な書き込みなどの迷惑行為を繰り返す人間の事を「インターネット・トロル(Internet-Troll)」と呼ぶ。もしくはただ単に「トロール」ということもある。元々、英語圏では「厄介者」を指して、稀に「トロール」という事からインターネットミームの一つとして成立した。
確かに、デベロッパーやパブリッシャーに対する批判がゲームの製品レビューで行われているというのは前々からあって繰り返されている事かもしれないが、それに対してのSteamの対応は、デザインを変える事で低評価群のレビューを受け入れている。
デベロッパーがこれを「荒らし」と判断するのであれば、「そうなんですか」としか言えないんだけど、今回の一件はPUBGが標的にされて荒らされたというのも違う気がするので、メディアから「荒らしだ」って見出しで出てくる情報としてはあまり納得出来なかった。
今後も、中国人からの多数の批判が起きる度に「レビュー荒らし」と書くのかは知らないけど、この「レビュー荒らし」っていうのが独り歩きして、Steamに投稿されているレビュー全体が参考にならない物とされてしまったら非常に残念だなと思った一件でした。