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Steamストアに潜む「Asset Flip game」とは?

Steam

先日、Steam Blogで発表されたSteam Greenlightに置き換わる新しい枠組みの「Steam Direct」ですが、Reddit@SteamSpyではストアに公開するための申請料の議論が活発になっていました。記事を書いている現在でもRedditに申請料に対する議論が投稿されている状況です。

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なぜ、申請料なのか。Steam Directではゲーム開発者がSteamストアに書類と一定額の申請料を出せば、ユーザーによる投票プロセス無しに販売したいゲームを出せるようになります。

この時の申請料が安すれば安すぎるほど、ストアにレベルの低いゲームが多く量産される事態が考えられます。これはストアの質の低下を招き、コミュニティは炎上するでしょう。一方、申請料を高く設定すると、ゲーム開発を学んでいる学生や、個人開発者を含むインディーゲームの開発会社がストアへゲームを公開する時の壁となり、開発者から批判の的にされます。

『Valveを手助けしよう、申請料はいくらにすべきだろうか?』
―SteamSpyの投票ツイートには様々な反応がリプライで寄せられています

前者に関してはレベルの低いゲームの一例として「Asset Flips」が槍玉に上げられていた訳ですが、Asset Flipとは一体どんなゲームなのでしょうか?(分からなかったので調べてみました)

一番有名な例はUncrowded(ストアから削除済み)です。

現在は削除済み。当時のレビューはこちら

Sandbox・マルチ対応・オープンワールド・ゾンビという謳い文句で販売されていましたが、ゲームエンジンのUnityの素材として販売されている「UnitZ」という開発用のスターターキットをそのままSteamに公開しただけのゲームでした。

Unityアセットストアで販売されているゲーム開発用キット

セール時に2円で販売されていたこともあってか、SteamSpy統計によると、現在のオーナー数は26万人近いとされています。この場合はキットをそのまま販売したということで極端な部分もあるかもしれませんが、アセットを使いまわして作られた質の低いゲームの事を「Asset flip game」と呼ぶわけです。(まんまでした。)

申請料はいくらにするべきなのか、Valveの公式声明では現在検討中とのことですが、インディーズゲームプラットフォームのitch.ioはいち早く反応し、無料でゲームを掲載出来る事をアピールしていました。

サービス名は『itch.io direct』

申請料に関して様々な議論が生まれているSteam Directですが、現行の投票プロセスを利用し、投票の見返りに無料でゲームを送る行為をしていた開発者は締め出せそうなので、最低限の改善には繋がるかもしれません。公開されるのは春なので、どういった感じになるのか、気になるところです。