ウクライナ国防省のTwitterアカウントが2022年3月24日(日本時間)に公開した「Ka-52を4機撃墜」の動画が、ミリタリーサンドボックスゲーム「Arma 3」の動画だと話題になりました。投稿された内容は公開後まもなく削除されたとのことです。
ウクライナ国防省はロシア軍によるウクライナ侵攻を受け、TwitterやTelegramで侵攻に関する情報を公開しています。削除された投稿の内容は「ケルソンで今朝、ウクライナの防空部隊による見事な活躍によりロシア軍のKa-52が4機撃墜された」というもので、以下の動画を共有していました。
ウクライナ国防省が公開した動画(現在は削除済み、音声が流れます)
ウクライナ国防省が紹介したことを受け、一部のメディアも報道しています。イタリアの大手新聞社「La Stampa」は「ウクライナの防空部隊がケルソンでKa-52を撃墜」という見出しで報道。その後「記事内で紹介した動画はArma 3の映像でした。すでにウクライナ国防省やウクライナのメディアもこの情報を削除しました」と記事の内容を訂正しました(魚拓)。
ウクライナ国防省が投稿した動画は、YouTubeで数日前に投稿されていました。その動画のコメント欄は作者含めて盛り上がっていました。YouTubeのコメント欄を読んでみると、ラトビアのメディア、ドイツのメディア、インドのメディアでも動画が紹介されていたようです(いずれもメディアで紹介されていたかどうか真偽は確認できていません)。
なお、ウクライナ国防省はコンバットフライトシミュレーションゲームの「DCS World」も戦闘機を撃墜した瞬間の映像として紹介しています。
#stoprussia
Що виробляє цей український ас 😳🤜
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МіГ-29 Повітряних Сил ЗСУ знищує “нєімєющій аналогов” Су-35 російських окупантів ❌❌❌ pic.twitter.com/z6YVnm8ezo— Defence of Ukraine (@DefenceU) February 25, 2022
ゲームの開発元企業も注意喚起
Arma 3はチェコを拠点にするデベロッパーであるBohemia Interactiveが公開したミリタリーサンドボックスゲームです。プレイヤーはさまざまな兵器や武器を使って遊ぶことができ、用意されたキャンペーンの他に、エディター機能を利用してミッションを作成したり、AIユニット同士で戦わせたりすることもできます。コミュニティーではさまざまな年代の兵器を追加するMODが公開されておりそれらを組み合わせることでさまざまな遊び方を楽しむことができます。
Bohemia Interactiveは2022年2月25日に「ウクライナ紛争の動画として『MODを加えたArma 3の映像』が取り上げられているので注意してほしい」と発表していて、まさに注意すべき動画が国家機関から公開された(現在は削除済み)というケースになりました。
Dear Arma Community!
Beware that lately quite a few videos from heavily modded Arma games surfaced tagged as videos depicting the current Ukrainian conflict.
We are in touch with the media helping to fact-check such videos.
— Arma 3 (@Arma3official) February 25, 2022