警察、消防、救急それぞれの部署を指揮して都市で発生した通報に対処するシミュレーションゲーム「Rescue HQ – The Tycoon」(以下、Rescue HQ)が発売されているので紹介していこう。
マネジャーとして施設を建設したり、出動を指示したりする
Rescue HQでは、プレイヤーが本部のマネジャーとなり、警察、消防、救急それぞれの部署のために必要な施設を建設する。そして、必要なもの(人、器具、車両)を揃えて都市で発生するさまざまな通報に対応する内容となっている。
通報は完全にランダムというわけではなくキャンペーンの進行度によって固定の様子。例えば、「選挙期間」「ギャング抗争」など、警察、消防、救急のいずれかへの通報数が増えるイベントが用意されている。
キャンペーン後半は、警察、消防、救急が一丸となって対処する必要のあるものも登場するため、バランスよく本部を拡張してかなければならない。キッチンやトイレ、ベッドルームなど部員のための基本的な建物から、警察のための報告書棚、救急のための診断用ベッドと、それぞれの部署ならではの施設、器具を建設していく。
プレイヤーは、先述したような施設をどう配置するか考えながら、発生する通報に対して対応する人員、器具、車両を指定し出動命令を出していくことになる。通報に対しては、必要な器具や車両が適切に割り当てられているかによって、解決率が変わるためリソース管理が非常に重要だ。
通報を解決できると評価ポイントが手に入り、新たな車両や器具のアンロックに利用できる。また、評価ポイントを消費して、通報を別の本部に対応してもらうこともできる。さらに余ったポイントは資金に変換させることもできる。通報を対処できなかった場合は評価が落ち、通報に向かった部員が怪我をして働けなくなるリスクもある。
部員は何度も出動を繰り返すことでスキルが上がっていく。雇用直後は見習いだが、一人前になれば、一人で通報をこなせる場合もある。全員をバランスよく出動させて育てていくのか、出動させる人と、事務作業の部員を固定化して少数精鋭化させるのか、そこも、マネジャーとしてのプレイヤーの腕の見せ所となる。
限られたリソースで通報に対処していかに黒字を維持できるか
キャンペーンのクリア条件は「本部を黒字のまま数週間運用できるか」というシンプルな設定だ。だが、見積もりを見誤るとすぐに赤字になりゲームオーバーとなるので注意する必要がある。
最もコストがかかるのは、人件費。時間の概念があり、部員は昼と夜のシフトで分けられていて、昼と夜でそれぞれ雇用するからだ。雇った部員で出動、器具の作成と保守(再補給)、雇用をする必要があるため、例えば常時全員が出動していては必要な器具を再補給できないし、かといって過剰に部員を持っていては赤字となってしまうわけだ(なお、パトロールなどの機能は執筆時点で用意されていない)。また、救急では搬送した人を診断して最適な治療を受けさせる必要がある。つまり救急を始める場合は、診断用ベッドにくわえてそれぞれ必要な器具を用意しておく必要があり、建設費+維持費でとんでもない出費になる。
本部規模に合わせて適切な人数を雇用しながら、限られた人員、器具の中でいかに通報を100%処理して評価ポイントを手に入れ、黒字を維持できるかがクリアの鍵を握る。
というわけで警察、消防、救急を管理するシミュレーションゲーム「Rescue HQ – The Tycoon」を紹介した。日本では、救急車を呼んでタクシー代わりに利用する人が後を絶たないというが、限られたリソースの中で救急車が出動するというのはいかに大変なことを知られる貴重な作品になっていることは間違いないだろう(タクシー代わりに使うような人は、PCゲームの存在すら知らないと思われるが……)。