Xboxアプリのアップデート情報について紹介する公式のYouTube動画が公開されました。動画内で、本記事において「致命的な欠陥」として紹介していたファイル編集ができない点に言及。今後、Xbox Game Pass for PCにおいてユーザーは好きなフォルダにゲームをインストール可能で、ゲームフォルダやファイルへのアクセスを容易にすると発表しました。今後の情報が分かり次第、記事内容を変更予定です。
月100円(初月、その後月850円)でサブスクライブすると100以上のPCゲームが遊べる「Xbox Game Pass for PC」という魅力的なサービスを展開している「Microsoft Store」ですが、実は致命的な欠陥があるため、PCゲームの購入は一切オススメできません。
PCゲームの購入が一切オススメできない理由と、賢い使い方を紹介します。
Microsoft Store(Xbox Game Pass for PC)にある致命的な欠陥
早速、本題に入ります。Microsoft Store(Xbox Game Pass for PC)にある致命的な欠陥はファイル編集ができないことです。
Xbox Game Pass for PCでインストールされたゲームは全て「WindowsApps」というフォルダ内にインストールされます。このフォルダはMicrosoft Storeで入手可能なアプリケーションが保存される共通のフォルダとなっており、セキュリティ上の観点(クラッキング防止)から通常のユーザーでも管理者権限を持つユーザーでもファイルの編集が認められない仕様となっています。
この仕様はWindowsAppsに保存されるMicrosoft Store(Xbox Game Pass for PC)のPCゲームも対象になります。その結果、
- Configファイルを編集して画面の解像度やキーバインドを変更できない
- ゲームフォルダ内のローカライズファイルを編集・上書きして日本語化できない
- ゲームフォルダ内に全てのデータを保存しているゲームの場合、ゲーム中にオブジェクト名を変更しようとするとゲームがクラッシュするので、ゲームプレイに致命的なリスクがある
という状況になっています。「権限設定を変更することでファイル編集が可能になる」という国内記事、海外記事がありますが、「権限を変更してファイルを操作するとファイルが改ざんされた(クラッキングされた)とOSが認識するのでアプリケーションが実行できなくなる」という指摘をしているやり取りもあり、権限操作はオススメできません(筆者の環境でも紹介されている記事を参考に幾つか試しましたが、上手くいきませんでした)。
Microsoft Store(Xbox Game Pass for PC)を賢く利用する方法
ファイル操作ができない致命的な欠陥を抱えるMicrosoft StoreおよびXbox Game Pass for PCは、メインのPCゲームプラットフォームと捉えず、「月850円で最新ゲームが楽しめるかもしれない有料ゲーム体験版プラットフォーム」と考えるのがいいと思います。
気になっていた新作ゲームがXbox Game Pass for PCで遊べるようになったらそこで数時間遊んでみて自分自身にフィットするようであれば、Steamなど別プラットフォームで購入して遊んだり、セールがきたらSteamなど別プラットフォームで購入すると割り切るのがよいでしょう。
最後に
WindowsAppsに保存されるのはMicrosoft Storeでダウンロードできる全てのアプリケーションが対象です。ファイル編集が可能になると、NetflixやSpotifyなどのアプリケーションも改ざんできることになるため、セキュリティの観点でいえば、ファイル編集を不可能にするのは正しい仕様といえるでしょう。
一方で、PCゲームにおけるMODは元の作品に新たな深みを与える手段として、新たな自己表現の場として役立ってきた経緯があります。「DotA」「League of Legends」「PUBG」と例に挙げたPCゲームは全てMODから生まれてきたものです。Microsoft Storeが現在の仕様のままPCゲームプラットフォームとして拡大を進めると、こうしたMOD文化を廃れさせる原因になりかねません。
Microsoftさんにはぜひ、他プラットフォームでも販売されているPCゲームは、WindowsApps以外のフォルダで自由に保存可能にし、ファイル変更も基本認める方向で改善をお願いしたいところです。