スポンサーリンク

Cities: Skylinesの画像が「中国が尖閣諸島を埋め立てて2万人が居住する計画」の参考資料として使われる

News

 海上警備を担う中国・海警局に武器使用を認める「海警法」の成立や、中国艦艇が実戦を想定した訓練を尖閣諸島周辺で実施するなど、中国側の動きに日本政府は危機感を強めています。

 そんな中、自民党が有識者を招へいして実施した合同会議で、有識者の資料に街づくりシミュレーションとして知られる「Cities: Skylines」の画像が含まれていたと話題になっています。特定の情報源となったのは、衆議院議員の石原宏高氏がTwitterに投稿した画像の4つ目です。

 投稿された写真には島と島の間を結ぶ橋や埋め立てて作られた空港が写っています。Cities: Skylinesを知らない人にとっては分からないかもしれませんが、遊んだことがある人なら誰もが「Cities: Skylinesの画面だ」と分かるでしょう。

 実際、これを見て写真の元となった動画まで特定して指摘する人がTwitterにいました(指摘した人のツイート)。元動画のタイトルはゲームタイトルであるCities: Skylinesが含まれない「魚釣島の将来の都市計画案」というシリーズの1動画で、中国の動画サイトで公開されています(※魚釣島は尖閣諸島で最大の島)。コメント欄には「これはCities: Skylinesだね」というツッコミもあります(以下の埋め込み動画が見られない人はこちら。1分56秒で完全一致していることが分かります。)


動画タイトル:未来的钓鱼岛城市规划构想:人口2万,一座跨海大桥连接各个海岛
(抄訳:釣魚島の将来の都市計画案:人口2万人、島をつなぐ橋を設置)

 なお、Twitterでの指摘を受けツイートを投稿した石原氏は最初のツイートに続ける形で以下のように撤回をしています。

有識者はCities: Skylinesのプレイ動画をどう提示したのか

 石原氏の投稿を読むと、Cities: Skylinesの画像を参考資料として共有したのは東京大学 川島真教授のようです。どう話が進んでCities: Skylinesの画像が共有されているのかは分かりません。なお、日本経済新聞が2021年3月30日に公開した「尖閣、中国の脅威増す グレーゾーン対処に隙」という記事には「2万人が居住する計画」が会議資料で提示され、出席議員は息をのんだとあり、画像の元となった動画内容と同じ話が展開されていることが分かります。

中国は尖閣諸島を埋め立てて2万人が居住する計画を持っている――。24日、自民党の会議に招かれた有識者が示した資料に出席議員は息をのんだ。中国側が動くきっかけや日本側の対応など議員側の質問が相次いだ。

引用元: 日本経済新聞「尖閣、中国の脅威増す グレーゾーン対処に隙」より

 また石原氏のツイートには「中国は尖閣諸島に2万〜6万人の居住施設を公に建設」(原文ママ、「公に」の部分はその後訂正)とあります。この6万人という数字はどこからきたのか調べてみると、動画投稿者の再生リストに「6万人口(抄訳:人口6万人)」がタイトルに含まれる動画がありました。したがってこの動画シリーズを元に議論が展開されていれば「2万~6万人の居住施設」というワードが出てくるのは自然です(真実はいかに……)。

筆者の環境で再生はできませんでしたが「6万人口」と書かれたタイトルは確認できました(参考元)。

 ちなみに、Cities: Skylinesにおける2万人や6万人の街という人口の値はあくまで「この土地で街づくりをしてみたらこれぐらいの人口のある街ができた」という話で、それ以上でも以下でもありません。もっと頑張れば7万~10万人の街ができるかもしれないし、景観を重視して1000人~3000人の島にすることもできる。そんな感じです。


 2021年で発売から6年を迎えたCities: Skylinesですが、PC版だと実在する陸地・島を再現してそこに街を作るという遊び方が楽しめます。実在する陸地や島を再現する方法はブログで過去に紹介しているので興味がある人は参考にしてみてください。

Cities:Skylinesで実在する地形を作成する「Cities Heightfield from GSI」を紹介
街づくりゲームの「Cities:Skylines」では、MAPの地形を編集して街を作成できます。Cities:Skylines(以下C:S)で「東京」や「横浜」など、実在する場所を製作したいときは、1から地形を作成すると手間が掛かります。そ...

情報元:Twitter